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"クワイエットルーム"とは、
精神病院の隔離病棟のこと。
ビールといっしょに睡眠薬を大量に飲んだフリーライター(内田有紀)が見た病院内患者をヒューマン・ウォッチングするコメディー映画。
だが、ただのコメディーに終わらせないのは劇団「大人計画」を主宰する奇才・松尾スズキ監督の手腕。
原作も昨年芥川賞候補にもなった本人が書いた小説。
とんでもない患者(大竹しのぶ、蒼井優ら)や主人公のとりまき達(りょう、宮藤官九郎ら)を笑って見ているうちにも、最後は、観客自分自身を見つめることになるという仕掛けの妙。
同棲相手を演じる宮藤官九郎が、もうめちゃくちゃうまい。いま風のダメ男そのままだが、途中から心境変化していく様が怖い。
9年ぶりの映画主演となる内田有紀がまたいい。
不安やいらだち、自身を見つめる覚悟といった場面場面をしっかり演じて、今年の女優主演賞候補のひとりとなった。
現代人の精神不安定状況を見事に描きだした映画だ。