”女という存在は自然が生んだ、最大の謎だ。
世界の巨匠、オリヴェイラ監督が贈る、
「秘密」と「欲望」についての考察
60年代の衝撃作「昼顔」の登場人物たちの
38年後---”
日経新聞に寄稿している映画評論家中条省平が「信じられない傑作」として本年度ベスト1映画との記事を読んで、さっそく観にいった。
なるほど、これは魅惑的で不思議な映画だ。
今年99歳という年齢のポルトガルの巨匠、マノエル・ド・オリヴェイラ監督だからこそ出来た、といってもいい。
パリの街並み、歩道そして夜景など風景映像が魅力的。
秘密と欲望を探るふたりの会話が官能的で魅力的。
そしてバックに流れるドボルザークの交響曲第8番が映像にぴたりとはまって魅力的だ。
不意に現れるニワトリなどシュールな場面は、「昼顔」の監督ルイス・ブニュエルへのオマージュなのだろう。
上映時間1時間10分という短さが、いっそう濃縮された幻想的な快楽を持続できていたと思う。
↑映画を観た帰りに、ノイマン指揮チェコ・フィルの名盤CDを購入。
その音楽にも堪能した1日だった。