映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

歌舞伎座柿葺落五月公演「京鹿子娘二人道成寺」

歌舞伎座が新開場。
先月四月公演のお目当ては、弁慶役上演通算1100回を達成した幸四郎の「勧進帳」。
最後の「飛び六方」では、観客から手拍子が。私もつられて手拍子をしたが、熱の入ったいい舞台だった。

今月五月公演「柿葺落五月大歌舞伎」のお目当ては、
玉三郎菊之助の「京鹿子娘二人道成寺」。

この二人による「二人道成寺」は、平成18年歌舞伎座で上演されたときに観たが、あまりの美しさに陶酔し、呆然とした。
今回また観れる嬉しさで、わくわくして歌舞伎座へ。

花道から菊之助の花子が登場し、しばらくしてから、すっぽんから玉三郎による花子が現れる。
二人が「光と影」、「陽と陰」といわれているように分身のごとく、絡みあったり離れたりと、舞台の二人に釘付けとなる。

イヤホンガイドでは、”謡曲二人静」に沿った演出”だと解説していた。
静御前の霊と乗り移った魂が、第三者には二人に見えるという「二人静」。
玉三郎は、乗り移った魂だから、すっぽんから現れたということになるのか。幻想的な演出。
今回の舞台でも、終始二人の美しく妖しい踊りに見とれていた。

道成寺は、長い年月にわたって多くの女形役者が挑んできた最高の舞踊。
そのなかにあって、玉三郎菊之助は当代最高の女形役者なのではないか。