映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

舞台を楽しむ

題名の意味とは? 「菅原伝授手習鑑」

外国映画の邦題にはカタカナが多く、意味不明だったりして映画を観たいという意欲を削いでいる作品があるのではないか。 公開中の映画「ザ・タウン」や「レッド」も、内容を知らない人には、”どんな映画?””ファミリーもの?”と言われてしまう。その点、歌舞…

文楽「菅原伝授手習鑑」

国立劇場の文楽公演第二部を観てきた。「菅原伝授手習鑑」は、二、三、四段目で、三通りの”親子の別離”が描かれている全五段からなる長編の浄瑠璃。歌舞伎では、通しで上演されることが少なく、四段目の「寺子屋」(松王丸親子の別離)が、単独で繰り返し上…

劇団四季「マンマ・ミーア!」

「ウイキッド」で、濱田めぐみの歌声に魅せられて以来ファンとなり、今回は「マンマ・ミーア!」のドナ役が好評なので四季劇場へ。ところが、ドナ役は今日から樋口麻美に交代していた。樋口麻美は、もうひとりの主役ソフィ役で、名をあげた役者。両方の役を…

「レ・ミゼラブル」25周年記念コンサートinロンドン

ロンドンで2010年10月に行われたミュージカル 「レ・ミゼラブル」の25周年記念コンサートは、イギリス及びヨーロッパの200の映画館で衛星生中継された。これで当日約7万人もの人々がこの記念公演に参加し、もうすでに伝説化したというライブシネマイベント…

国立劇場での獅子舞

国立劇場の歌舞伎公演は200年ぶりの復活狂言「四天王御江戸鏑」。”土蜘蛛”の大スペクタクルを堪能した。ロビーでは。新年恒例の獅子舞が。

”平成の三之助”十二月興業

歌舞伎界の次代を担う”平成の三之助”といわれた海老蔵(新之助)、菊之助、松緑(辰之助)今月この3人海老蔵は、舞台外で「恥辱手本酔醒蔵」(はじでほんよいざめぐら)の顔見世失態興行を演じたが、菊之助、松緑は、日生劇場の「十二月大歌舞伎」で大活躍…

海老蔵・勘太郎の歌舞伎「東海道四谷怪談」

「東海道四谷怪談」といえば、夏は怪談映画が定番だった頃の新東宝映画(1959年)がすぐ浮かぶ。「色悪(いろあく)」とよばれる民谷伊右衛門の役柄を天知茂が、ニヒルに演じ、中川信夫監督が鶴屋南北の歌舞伎世界を描ききった傑作だ。八月花形歌舞伎(新橋演…

劇団四季の「サウンド・オブ・ミュージック」

劇団四季の舞台、今年は「ウエストサイド物語」「アイーダ」と続けて期待を裏切られてきたが、昨日観てきた「サウンド・オブ・ミュージック」は違った。素晴らしい舞台だった。当日券で入場。秋劇場1階8列横席を確保できた(夏休み前で空席あり)。今回の…

5月文楽公演と囲碁の話

国立劇場小劇場で、5月文楽公演・第一部を観てきた。文楽の名作3本建て。「祇園祭礼信仰記 (ぎおんさいれいしんこうき)」「碁太平記白石噺 (ごたいへいきしらいしばなし)」「連獅子 (れんじし)」私の御贔屓・人形遣いの桐竹勘十郎が初役・雪姫に挑む…

最後の「歌舞伎座さよなら公演」

歌舞伎座さよなら公演も今月限り。16日を残すだけとなった。第2部を観てきた。今日も満席。「寺子屋」は、幸四郎、玉三郎、勘三郎、仁左衛門「三人吉三」は、菊五郎、團十郎、吉右衛門「藤娘」は、藤十郎と、さよなら公演ならではの豪華絢爛たる配役陣。…

わずか15分の歌舞伎名舞台

歌舞伎座さよなら公演も残り2カ月。その名も”御名残三月大歌舞伎”。その第一部を観てきた。一度観て感激した「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」が、おめあて。この芝居は「金門五三桐」という長編だが、二幕目にあたる「山門」だけが、絢爛豪華な一幕物…

海老蔵の初春歌舞伎「伊達の十役」

公私とも絶好調の海老蔵の初春舞台を、満員の新橋演舞場で観てきた。海老蔵の大熱演で、歌舞伎本来の趣向に満ち、宙乗りや屋体くずしなどスペクタクルもあり息もつかせぬ面白さ。 5時間半(休憩3回あり)も、あっという間だ。 演目内容は、伊達騒動を描い…

イヴの歌舞伎座はカーテンコール

昨日クリスマス・イヴの夜は歌舞伎座で過ごした。お目当ては「野田版・鼠小僧」。野田秀樹作・演出の舞台の再演で”歌舞伎座さよなら公演”にふさわしい舞台。棺桶屋の三太(勘三郎)が、サンタのように鼠小僧がイヴの夜に、子供に小判の雨を降らせれらるかと…

「文楽鑑賞教室」が楽しい

国立劇場で「文楽鑑賞教室」を観てきた。この教室、今回第41回とあるが、私は初めて鑑賞。前半は、「解説・文楽の魅力」。大夫・三味線・人形それぞれが、その役割や道具解説をしながら、文楽の魅力を楽しく語る。文楽を何回も観ている者でも、おもしろかっ…

文楽「芦屋道満大内鑑」

本場大阪の国立文楽劇場で文楽を堪能してきた。観たのは、第2部「芦屋道満大内鑑」。今月は第1部の「心中天網島」のほうが人気のこともあり第2部のほうは10日前に電話予約しても、前から3列目中央と願ってもない席を確保できた。ラッキー!東京からでも切符…

歌舞伎座さよなら公演「義経千本桜」

歌舞伎座入り口横に設置された残日数表示版も、あと残り200日を切った。現存の歌舞伎座とお別れがだんだん近づいてくるのを実感する。10月の歌舞伎座、夜の部を観てきた。今回もほぼ満席だ。通し狂言「義経千本桜」後半は狐忠信の話。狐忠信というと、どう…

歌舞伎座さよなら公演 「勧進帳」

歌舞伎座さよなら公演・九月大歌舞伎は、幸四郎と吉右衛門の舞台。夜の部を観てきた。七代目幸四郎の没後60年に因み、名優の面影を偲ぶ舞台「勧進帳」。この「勧進帳」を観るのは、今回で何度目となるのか。でも、何度観てもあきない。弁慶の忠誠、主役ふた…

歌舞伎座さよなら公演「怪談乳房榎」

「八月納涼大歌舞伎」は、いつもの昼夜の二部制ではなく、三部制。第三部の開演時間は6時だから、会社帰りに観劇することができた。お目当ては中村勘三郎の「怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)」。”怖い怪談”というよりは、勘三郎の四役早変りを楽しむ…

歌舞伎座さよなら公演 「女殺油地獄」

「女殺油地獄」(おんなころしあぶらのじごく)は、今年2月国立劇場の「文楽」で感激した演目であり、歌舞伎でも一度は観たかったが、今月の歌舞伎座さよなら公演で観ることがてきた。今回は、片岡仁左衛門が、”一世一代”で務めることになった。最後の公演…

歌舞伎座さよなら公演「伽蘿先代萩」

伊達騒動を素材にした 「伽蘿先代萩(めいぼく せんだいはぎ)」は、「御殿」と「床下」の場だけが上演されることが多く、私も今回のような通し狂言を観るのは、初めて。歌舞伎座・昼の部へ行ってきた。女形最大の難役・政岡を玉三郎は、緩急静動の心情をた…

歌舞伎座さよなら公演 「元禄忠臣蔵」

討ち入り場面がない、最も史実に近い、忠臣蔵の決定版ともいわれる真山青果作「元禄忠臣蔵」。歌舞伎座さよなら公演3月夜の部を観た。3場面に3人の大石が登場する。団十郎はお家芸荒事タッチを捨てて”人間対人間”の抑えた感情で、南部坂雪の別れ」を演じ…

文楽「女殺油地獄」

最も観たかった文楽の演目「女殺油地獄」(おんなころしあぶらのじごく)を、やっと観ることができた。感激!国立劇場(小劇場)にて。近松門左衛門最晩年の傑作だが、心中モノではなく、殺人事件。動機も単純な青年の犯罪事件だが、近松だけあって、奥が深…

劇団四季 「55 Steps」

前日に、劇団四季ホームページで「当日券情報」を見たら、S席・A席ともに当日券販売”有”となっていたので1時間前に劇場窓口行ったら、なんと1階10列中央という理想的な席が取れた。女性客が9割。オジサンには、ちょっと肩身が狭いが、ミュージカルファ…

オバマ記念日に「ウイキッド」を観る

劇団四季のミュージカル舞台「ウイキッド」を電通四季劇場[海]で観た。1階席後ろは空席が多い。この1月20日より入場料が値下げしたというのにー連日満席近いという歌舞伎座や、東京での文楽公演チケットが入手しにくいのとは違った。観た舞台は、グリン…

初春 歌舞伎座さよなら公演

やはり年初はと、歌舞伎座へ行ってきた。さよなら公演の幕開きにふさわしい華やかな「祝初春式三番叟」ではじまり、もう正月気分を満喫。続く「俊寛」では、最後にひとり島に残った俊寛が「肚(はら)で芝居をする」幸四郎の無言の演技が孤独感を見事に表現…

文楽 「源平布引滝」

昨日は国立小劇場で、文楽鑑賞。木曾義仲の誕生等を描いた時代物「源平布引滝」(げんぺいぬのびきのたき)の二、三段目が上演。17時開演、21時終演まで、たっぷり楽しんだ。 1等席5,700円。開演前に、「本日は録音します」とのアナウンスがある。指定され…

菊五郎・菊之助の「雪暮夜入谷畦道」

雪の降る寒い夜、熱燗で蕎麦を食べる。こんなシーンから始まる歌舞伎舞台「雪暮夜入谷畦道」。この外題がいいですね。「ゆきのゆうべいりやのあぜみち」と読む。幕が開くと、吉原に近い入谷村の蕎麦屋。看板には「二八」2×8=16だから、「二八蕎麦」は一杯…

文楽「奥州安達原」

国立劇場小劇場の文楽9月公演を、申し込み初日にインターネットで申し込んだが、第一部はすでに完売。第二部のほうを観ることができた。劇場はさすがに、満席。今回は人形遣いの吉田清之助が亡き師の名跡「豊松清十郎」襲名披露の舞台。人形遣いの芸名は、…

文楽「義経千本桜」

驚いた、感激した。映画ではなく、再び文楽のお話。国立劇場で観た今回の「義経千本桜」は、三人の主役のうち「狐忠信」編。この演目、歌舞伎では市川猿之助が、早替りと宙乗りで、すっかり有名になった舞台だが、私は文楽では初めての鑑賞。文楽でも、見事…

文楽「冥途の飛脚」

大阪が中心の文楽。東京公演は今年も年4回。国立劇場で近松門左衛門作「冥途の飛脚」を観た。遊女梅川と飛脚屋忠兵衛の心中世話物。近松ものは、特に「語り」が命ということで、事前に6年前に観たときの解説書を引っぱり出してきた。国立劇場の解説書には…