映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

吉田玉男襲名・文楽公演

年に4回開催される国立劇場での文楽・東京公演は、この10年間ほぼ毎回鑑賞している。

人形遣い吉田玉女改め二代目吉田玉男の襲名披露が行われる5月公演は、チケット取るのに苦労した。
「あぜくら会員」は、一般申し込みより早く申し込みが可能にもかかわらず、会員先行申し込み日10時すぐに電話するも、繋がったのは2時間後。このとき既に希望の第1部が全日程売り切れ。やむなく第2部を申し込んだ。
文楽チケット争奪戦は10年程前の"初代"吉田玉男の公演の時のようだ。
吉田玉男」という名跡の重さを感じる。

さて、国立劇場5月公演第2部は、金閣寺を舞台に、雪舟・鼠の奇跡を織り込んだ「祇園祭礼信仰記」と、心中もの「桂川連理柵」。
二代目玉男の出演がある「桂川連理柵」(かつらがわれんりのしがらみ)には、同期の和生や、人気の勘十郎、簑二郎、人間国宝の簑助が揃って舞台を盛り上げた。
道行の場面では、藤蔵ほか三味線連に拍手が沸く。

座席が前列6番なので左右にある字幕が読みにくいこと、この二つの演目は私には2度目の鑑賞となるので、今回は「床本」(義太夫節の全文)を事前に読んでおき、字幕を見ないで鑑賞した。

世界に誇れる伝統芸能文楽」は、単なる人形劇ではなく、独特の語りと三味線音楽で繰り広げられる情感豊かなドラマは人間の本質に深く迫る。
文楽は年齢を重ねるほど共感できるようになるようだ。