映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

国立劇場10月歌舞伎公演「仮名手本忠臣蔵」

国立劇場の開場50周年記念・10月歌舞伎公演は、
”待ってました!”
通し狂言仮名手本忠臣蔵」。

ただの通し狂言ではない。
今月から3か月連続で、上演可能な場面をすべて網羅した”完全通し”狂言なのだ。
その「第1部」の今月は、全十一段のうち大序から四段目の上演だが、11:00開演で16:15終演なので、なんと5時間15分!(休憩を含む)。
全十一段終了まで3か月続くので、”完全通し”上演が、いかに長いものかがわかる。

恒例の最初の”儀式”が開演10分前に始まる。
舞台幕の前に<口上人形>が登場し、本日の配役を紹介する。
重要な配役を披露するときは「エヘン、エヘン」という咳払いがあって注意をひきつけ、「大星由良之助一役、 松本幸四郎松本幸四郎」と述べれば、観客席から大きな拍手。
もう舞台と観客がひとつだ。

四段目「花献上の場」は41年ぶりの上演だそうだ。
めったに観られないその場面では、刃傷事件の原因は妻の私にあると深い悲しみを滲ませる場面や、原因は賄賂を贈らなかったからだという家臣の反省など興味深い場面だ。
”完全通し”で観ていると、多くの登場人物の性格や背景がよく理解できる。
とかく「歌舞伎はわかり難い」と言われるのは、このように抜かして上演されるからだと思う。

最大の見せ場四段目「判官切腹の場」。
塩冶判官(中村梅玉)に駆け寄る大星由良之助に”敵を討ってくれ”という意味を込めて言うセリフを観客は聞き漏らすまいと、水を打ったように息を止めて聴き入っていた。
二人の名演。素晴らしい舞台に感動。

来月の「第2部」公演チケットも購入した。
歌舞伎の最高峰を3か月連続で観れる喜び。実に幸せ!


マイブログ記事から ”題名の意味とは? 「仮名手本忠臣蔵」”
http://d.hatena.ne.jp/uramado59/20060922/1158931481