映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

歌舞伎座さよなら公演 「女殺油地獄」

女殺油地獄」(おんなころしあぶらのじごく)は、
今年2月国立劇場の「文楽」で感激した演目であり、歌舞伎でも一度は観たかったが、今月の歌舞伎座さよなら公演で観ることがてきた。

今回は、片岡仁左衛門が、”一世一代”で務めることになった。
最後の公演となるという。

仁左衛門は私と同年生まれの65歳。本人も”河内屋与兵衛(23歳)の役は、ある年齢までしか演じれられない”というので、納得いく演技は最後の年齢ということなのだろう。
そういわれてみると、油まみれの殺しの場面の動きや、小道具の使い方、心情表現などもすべて役者の動きと連動していることがよくわかる。

この与兵衛という人物は、江戸時代ではひとり立ちしている年齢の23歳でもパラサイト、廓通いにサラ金まみれという放蕩息子である。
仁左衛門は、この役を場面場面で細かく演じわけ、弱い男の生き様をさらして、まさに”一世一代”にふさわしい名演の舞台だった。

これだから、歌舞伎はやめられない。