映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

海老蔵の初春歌舞伎「伊達の十役」


公私とも絶好調の海老蔵の初春舞台を、満員の新橋演舞場で観てきた。

海老蔵の大熱演で、歌舞伎本来の趣向に満ち、
宙乗りや屋体くずしなどスペクタクルもあり息もつかせぬ面白さ。
5時間半(休憩3回あり)も、あっという間だ。
演目内容は、伊達騒動を描いた有名な「伽羅先代萩」と同じで、もとは市川猿之助が、
昭和54年に160年ぶりに復活させた名舞台。
「慙紅葉汗顔見勢<猿之助十八番の内・伊達の十役>」。
今回猿之助が演出にあたっている。
猿之助ファンだったので、今回の再演舞台が、待ちどおしかった。
この「慙紅葉汗顔見勢(はじもみじあせのかおみせ)」という外題が笑える。
「恥(はじ)も外聞もなく紅葉(もみじ)のように顔(かお)を真っ赤にし汗(あせ)をかいて、ひとり十役を演じて見せ(みせ)ます」というのだ。


伝統歌舞伎の世界にはみられない海老蔵自身がひとり十役の説明するなど、若い人や、歌舞伎が初めてのひとには、もってこいの舞台。
歌舞伎の普及に貢献する貴重な演目として残ることだろう。