映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

対決ー巨匠たちの日本美術

日本美術を代表する巨匠24人の傑作が集まった
注目の展覧会を東京国立博物館で見てきた。

若冲蕭白の”奇想対決”
永徳と等伯の”ライバル対決”
大観と鉄斎の”富士山対決”
などと、互いに競ったふたりの作品を並べて展示というのが、大きなみどころだ。

日本美術が好きな私は、出品作品の半分以上はこれまで何回か見ているが、いまだ未見で、一度ぜひとも
見たい!という作品が今回のおめあて。

それが、長沢芦雪「虎図襖」(重文・和歌山無量寺・串本応挙芦雪館)だ。

南紀無量寺の室間に描いた3メートル以上の大きさを誇る日本最大の虎絵。
期待にたがわず、ものすごい迫力だ。
獲物に襲いかかろうとするする虎が画面一杯に描かれて、見るものを驚かす。

筆遣いは尋常ではないぞ。

前足はなんと顔より大きい! だからこその迫力。
これまで図版でしか観ていなかったが、やはり本物を見なければこのすごさは味わえないと、つくづく思う。

芦雪の師は丸山応挙。だからこの展示は”京都画壇・虎図対決”として応挙の「猛虎図屏風」が並べて展示されて、”師弟対決”となっている。

今回の企画、比べることで個性がみえてくるしかけとなっていて、それぞれ巨匠たちの個性を十分堪能できた出色の展覧会だった。