映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

2013-01-01から1年間の記事一覧

歌舞伎座柿葺落五月公演「京鹿子娘二人道成寺」

歌舞伎座が新開場。 先月四月公演のお目当ては、弁慶役上演通算1100回を達成した幸四郎の「勧進帳」。 最後の「飛び六方」では、観客から手拍子が。私もつられて手拍子をしたが、熱の入ったいい舞台だった。今月五月公演「柿葺落五月大歌舞伎」のお目当…

「藁の楯 わらのたて」

"この男を殺してください。御礼に10億円差し上げます。”このキャッチコピーの宣伝用チラシ(右写真)を映画館で入手し、これは面白そう!と、しかも三池崇史監督作ということで、期待していた。映画館で予告編を観る機会もなかったし、この映画のあらゆる…

「舟を編む」

今年1月〜3月にテレビ東京系で放映されたテレビドラマ「まほろ駅前番外地」(監督・脚本は大根仁)は実に面白かった。 松田龍平演じる行天(ぎょうてん)役が映画「まほろ駅前多田便利軒」から更にキャラが立ってハマっていたので、それを楽しみに毎週観て…

ヒッチコックのカメオ出演・ベスト5

ヒッチコックといえば、自分の映画に一場面だけ顔を出すことでも有名。 登場のしかたとしては、通行人の役が最も多く、列車に乗るところなど乗物とともに登場することが何度もあって、監督の乗物好きがよくわかる。 その他カメオ出演のために、いろいろな努…

「シュガー・ラッシュ」 3D吹替版

平日の14時台の映画館は空いていた。春休みは終わったとはいえ、客席に子供はいない。 私と同じようなシニア客が半分。 予告編が始まると、「仮面ライダー」、「クレヨンしんちゃん」、「コナン」、「ポケモン」、「しんかんせん」と、完全に子供向け映画ば…

「ヒッチコック」

スティーブン・レベロのノンフィクション「ヒッチコック&メイキング・オブ・サイコ」をもとに映画化。 この本は、ハリウッド映画史の貴重な資料でもあり、監督の思考や詳細な舞台裏レポートは、すこぶる面白い。この本は、「第1章・耐え難い事実ーエド・ゲ…

ヒッチコック監督作品の”ポスター”

これが明日から公開の映画「ヒッチコック」のポスター。 ヒッチコック監督(アンソニー・ホプキンス)と彼を支え続けてきた妻アルマ(ヘレン・ミレン)、主役ふたりの姿。 監督役の手には、「サイコ」で描かれたあの狂気のナイフが! そうか、この映画は監督…

「クラウド アトラス」

歌舞伎の世界は、役者中心。役者の魅力をひきだすために何役も演じる舞台がある。 最近では、海老蔵が「慙紅葉汗顔見勢」で、なんとひとり十役をこなし、女形の七之助は「於染久松色読販」で、七役早替りを見せている。この映画で、トム・ハンクスはひとり6…

華やかに歌舞伎座開場式

今日、新しい歌舞伎座で行われた、落成記念式典「歌舞伎座開場式」に招待された。式典は、一番太鼓が轟き、開場を記念する舞踊「寿式三番叟」が上演された。 舞台を清め、歌舞伎の弥栄を寿ぐ一幕。 翁を吉右衛門、千歳を魁春、三番叟を梅玉がおごそかに演じ…

「ザ・ガール ヒッチコックに囚われた女」

アルフレッド・ヒッチコック監督が、彼に見出された女優ティッピー・ヘドレンを、映画「鳥」の主演女優に抜擢してから、次回作の「マーニー」まで撮影中の二人の関係を描く。 劇場未公開作で、WOWOWで鑑賞。今年度のゴールデン・グローブ賞テレビ・ミニシリ…

「愛、アムール」

パリの高級アパルトマンに住む80代の元ピアノ教師の夫婦。 妻が突然倒れ、老々介護する物語。冷静に淡々と経過だけを描く作風のミヒャエル・ハネケ監督の最新作。 「隠された記憶」で見せた映像マジックは、今作品でも注目。<以下ネタバレ注意>介護の経過…

ミュージカル映画ベスト10本

もうすぐ上映終了とのことなので、「レ・ミゼラブル」を音響の良い映画館で観てきた。 3回目だが、またまた感動。 ミュージカルの世界がもつ高揚感・幸福感が堪らない。ミュージカル映画が大好きになったのは、中学1年。 新宿コマ劇場が開館し、柿落とし上…

「世界にひとつのプレイブック」

予告編を最初に観た時、 会社を首になった理由を聞かれて、”会社のみんなとヤッたから”というジェニファー・ローレンスの一瞬の絶妙な表情に驚いた。 予告編には他にキレる場面などもあり、若いのに巧すぎると感心。 それで、私のアカデミー主演女優賞予想(…

「ジャンゴ 繋がれざる者」

今年のアカデミー賞の話題のひとつが、この映画が「リンカーン」と共に二本の黒人奴隷制度を扱った映画が並んだこと。 アカデミー賞脚本賞を受賞した本作は、奴隷制度に対する怒りが全編にあふれた異色西部劇である。赤い文字のタイトルロールに、あの”ジャ…

「ゼロ・ダーク・サーティ」

米軍によるアルカイダの指導者オサマ・ビンラディン捕縛・暗殺作戦は、深夜0:30(ゼロ・ダーク・サーティ)に決行された。主人公のCIAの女性分析官マヤ(ジェシカ・チャステイン)は、執念でその隠れ家を見つけ出す。自身が運転する車が襲撃されたり、仲間を…

「横道世之介」

ゆったりと流れる2時間40分の映画だが、長く感じない。1980年代、長崎から法政大学入学のために上京して来た世之介(高良健吾)の青春物語。現在生きているひとが、ほろにがい青春時代の思い出を語るというのは、青春映画づくりの常套パターンなのだが、この…

「東京家族」

満員で観ることができなかった映画を、やっと観てきた。 映画館は前数列を除いて満席で、いまだにヒット中なのだろう。 嬉しくなる。小津安二郎監督の代表作「東京物語」のリメイク。電車の俯瞰シーン、ローアングルで捉えた家の中では人物のほうがカメラに…

2013年アカデミー賞 予想してみました

アカデミー賞授賞式が2週間後に迫ってきた。スティーヴン・スピルバーグ監督「リンカーン」が最多12部門にノミネート。 監督賞部門では、「アルゴ」のベン・アフレック、「レ・ミゼラブル」のトム・フーパー、いずれも予想外のノミネート落選。 主演女優賞…

「塀の中のジュリアス・シーザー」

監督は、イタリアの巨匠ヴィットリオ&パオロ・タヴィアーニ兄弟。 兄弟で映画監督といえばコーエン兄弟が有名だが、タヴィアーニ兄弟のほうが先輩で、もう80歳を超えた。 壮大な叙事詩「カオス・シチリア物語」も好きだが、なんといっても「グッドモーニ…

「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 3D吹替版」

予告編を観たときは、トラと漂流した227日なんてウソっぽいお話だし、映像は美しいがCG作画ぽいので、あまり興味はなかったのだが、アカデミー賞作品賞候補にノミネートされたというので、映画館へと。この映画の最大のみどころは、3D全開の素晴らしい映像…

再び「レ・ミゼラブル」

どうしても音響の良い映画館でと、2回目の鑑賞。 前回は興奮しっぱなしで鑑賞していたが、2回目は冷静に観れた。 やはり、今回も存分に堪能。何度観ても素晴らしい!唯一今回の映画化の為の新曲「サドゥンリー」は、前回は少し違和感があったが、今回は素…

「007 スカイフォール」

お正月の楽しみにと残しておいた映画が、これ。 007シリーズも23作目、第1作公開から50年になるという。このシリーズは、第2作「危機一発」(ロシアより愛をこめて)をロードショーで観てから、はまった。 だが、ボンド役がショーン・コネリーからロジ…

新年ご挨拶

あけましておめでとうございます2006年1月からこのブログを書き始めて、今月で8年目にはいります。書きはじめた頃は、1年間続けられたらよいかなと思っていましたが、2年、3年と過ぎ、あっという間の7年間。 その間、何度かやめようかと思いましたが、や…