映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「藁の楯 わらのたて」

"この男を殺してください。御礼に10億円差し上げます。”

このキャッチコピーの宣伝用チラシ(右写真)を映画館で入手し、これは面白そう!と、しかも三池崇史監督作ということで、期待していた。

映画館で予告編を観る機会もなかったし、この映画のあらゆる情報をあえて避けてきて、白紙の状態で映画を観ることができた。
だからか、久しぶりに日本のサスペンス・アクションを存分に楽しんた。
未見のかたは、以下も読まずに劇場へ・・

少女を惨殺した殺人犯に10億円の懸賞金がかかり、犯人を移送することになった刑事や警視庁警備部SP(大沢たかお松嶋菜々子)を描く。
話に無理があるところあるがスピーディーな展開で、考える間もなく、2時間4分が過ぎていくのも監督の手腕か。

殺人犯を藤原竜也が演じて、凶悪な顔つきではなく一見やさしそうな青年にみえるところがミソ。
あたかもヒッチコック監督「サイコ」のアンソニー・パーキンスのよう。そういえば新幹線のなかで緊迫した場面でサイコの旋律にも聞こえた音楽があった。
やさしそうな顔の殺人犯の最後のセリフが、現代を切り取っていて怖い。

「こんなクズ(凶悪犯)を、命がけで守る必要があるのか?」
という自問自答が、このドラマに厚みを加えている。