映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「ゼロ・ダーク・サーティ」

米軍によるアルカイダの指導者オサマ・ビンラディン捕縛・暗殺作戦は、深夜0:30(ゼロ・ダーク・サーティ)に決行された。

主人公のCIAの女性分析官マヤ(ジェシカ・チャステイン)は、執念でその隠れ家を見つけ出す。自身が運転する車が襲撃されたり、仲間を自爆テロで失うという恐怖の体験は、身につまされる。
拷問の立ち会いや上部への説得に苦労する場面など随所に女性ならではの限界を乗り越えて奮闘する姿に感動する。
それをジェシカ・チャステインが見事に演じていて、アカデミー主演女優賞ノミネートもうなずけた。

臨場感あふれる映像は、米軍の危険物処理班をリアルに描いた「ハート・ロッカー」の再現。
そのマーク・ボール脚本、キャスリン・ビグロー監督のコンビが再び米軍内部の苦悩と現実を切り取る。
捕縛・暗殺作戦の一部始終を描く緊張感もみどころであるが、作戦成功で歓喜するといった戦争映画としていないところがミソである。