映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「ブラック・クランズマン」

この映画のキャッチコピーは、実に当を得ている。 ”前代未聞の実話! 黒人刑事がKKKに侵入捜査 痛快リアル・クライム・エンターテインメント!” 舞台は、1979年、コロラド州。黒人警察官ロン(ジョン・デビッド・ワシントン)とフリップ(アダム・ドライ…

「ROMA/ローマ」

Netflixではなく映画館で鑑賞。 メキシコ・ローマ地区に住む家政婦の物語。映画的興奮満載のドラマ描写で、人間とその生活、社会情勢がしっかり描かれていて、感動する。素晴らしい映画。 床のタイルを映した映像で始まるタイトルバックからのワンカット場面…

「ともしび」 

ベルギーの小さな町に住む老女アンナ(原題)。夫は収監されていて、犬と独り住まい。家政婦として働き、演劇サークルやプールで日々過ごす。息子との確執が悩みである。 こんなアンナの日常を淡々とカメラが追うだけの映画なのだが、アンナの眼、顔、身体が…

レディー・ガガにアカデミー賞主題歌賞

WOWOWでアカデミー賞授賞式生中継を楽しんだ。 ひときは感動したのが、レディー・ガガ。「アリー/ スター誕生」のノミネート歌曲「シャロウ」を、監督兼共演者のブラッドリー・クーパーと熱唱し、会場を大いに盛り上げた後に、アカデミー賞主題歌賞受賞が発…

2019年アカデミー賞 大胆予想

このブログで毎年恒例のアカデミー賞予想時期となりました。 今年は、 Netflixで配信されたメキシコ映画「ROMA/ローマ」が最多10部門でノミネートされたのが話題に。 主要6部門、私の予想は、 ☆作品賞予想=「女王陛下のお気に入り」<写真> 「ROMA/ローマ…

ヒッチコック監督は最強です

これまで5000本もの映画を観てきた。その中でも、繰り返し観ているのが、小津安二郎監督とアルフレッド・ヒッチコック監督という二人の映画職人の監督作品。 このブログに移行して、過去のヒッチコック監督の記事をチェックしようとしたが、私の記事の分類「…

2018年のベスト映画10本

毎年恒例のベストテン。 これまで年末にアップしてきましたが、昨年末はブログ引っ越し作業で休止していたので、遅れましたが掲載します。 第1位「ボヘミアン・ラプソディ」(ブライアン・シンガー監督)フレディの生き様がしっかり描かれているので、最後…

引越し作業中

これまで使っていた「はてなダイアリー」は来月に停止され、この「はてなブログ」に統合されたため、引越ししてきました。 現在、移行作業中です。 そのため「映画は時代を映す鏡」記事の更新を一時休止させていただきます。 よろしくお願いいたします。

「ボヘミアン・ラプソディ」

バンド名の「クイーン」は知らなかった。 だから題名の意味(曲名と)も知らなかった。 でもこの映画を観れば、凄いバンドで、凄い曲ばかりと納得だ。 最後のチャリティコンサート“ライブエイド“を再現したシーンで、興奮は最高潮に。 大観客と共に素晴らし…

「日日是好日」

黒木華、樹木希林、多部未華子の初共演で描く、お茶の世界。 樹木希林を偲ぶに格好の作品。 お茶の世界と同じ、まさにじっくりと味わい深い映画だった。エッセイスト森下典子原作は未読。 監督は、「まほろ駅前多田便利軒」「さよなら渓谷」の大森立嗣。お茶…

「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」

ABBAのヒット曲で構成されたミュージカル「マンマ・ミーア!」の続編。前作で描かれた母と娘、母と3人の元恋人との物語を交錯して描く。 だから、前作を観ていないと面白さは半減するので、未見のひとは前作を観てから劇場に行くことをおススメする。この本…

小津安二郎監督「麦秋」

立秋を過ぎる頃になると、小津安二郎監督の映画が観たくなる。 そこで「麦秋」「彼岸花」「小早川家の秋」の3本を鑑賞。これまで繰り返し観ている監督作品はヒッチコック監督なのだが、年齢を重ねると小津監督のほうが多くなっている。「麦秋」は、NHK・BS…

「ジュラシック・ワールド/炎の王国」3D吹替版

毎日の酷暑。 映画館で涼みながら暑さを吹き飛ばそうと映画館へ。 近所のシネコンでは、2D字幕版・2D吹替版・3D吹替版があったが、迷わず好きな3D上映スクリーンを選ぶ。 本作も3Dの迫力を十分に楽しめた。この映画は興行成績第1位というのに、平日昼…

橋本忍さんを偲ぶ

脚本家・橋本忍さんが死去した。100歳。今から50数年前に、縁あって東京世田谷にある自宅を訪問する機会があった。 驚いたのは蔵書の多さ。中でも目を引いたのは、「ハヤカワ・ポケット・ミステリー」が廊下までずらりと並んでいたこと。 ミステリー・探偵小…

「万引き家族」

親の死亡を隠して年金を不正受給していたというニュースに着想をえたという是枝裕和監督お得意の家族の形や社会問題を描く。 第71回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。 監督の受賞後記者会見での作家としてのスタンスに共感した。話題性もあり2週目でも…

「モリのいる場所」

1977年に97歳で他界した画家、熊谷守一。今年3月に、東京国立近代美術館で、 「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」展 を観て、花や虫など身近な生きものを描いた独特の作風に共感した。だからこそ熊谷守一とその妻秀子の一日を描いたこの映画を楽しみに待…

「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」

映画は時代を映す鏡。実にタイムリーな映画だ。 原題は、「THE POST」(ワシントン・ポスト紙)。 日本題名「ペンタゴン・ペーパーズ」は、ベトナム戦争時に国防総省(ペンダゴン)がベトナム戦争について客観的な調査・分析をした大量の最高機密文書のこと…

アニメーション映画ベスト10本

ピクサー製作の新作アニメ「リメンバー・ミー」を観た。 死者の国を扱いながら明るく快活に、予想を超える展開が実に面白い。 勇気と冒険、家族愛というアニメ映画の王道をいくなか、物語も実に感動的。 主題歌はアカデミー賞受賞にふさわしく、実にピタリは…

「グレイテスト・ショーマン」

実在した興行師P・T・バーナムの半生を描くミュージカル。 1952年に製作された大作「地上最大のショウ」のモデルとなった人物だ。傑作「レ・ミゼラブル」のヒュー・ジャックマン主演だけあって、冒頭から素晴らしい歌唱力で観客を釘づけ。 子供時代の場面で…

「スリー・ビルボード」

題名の「スリー・ビルボード」というのは、閑散とした田舎の道路わきに設置された3枚の看板。 未解決レイプ殺人の地元警察の怠慢を批判する広告看板だ。 このメッセージを出したのは娘を殺された母親。 さて、この田舎町の人々は・・・ 映画的な巧みなプロ…

2018年アカデミー賞 大胆予想

このブログで毎年恒例のアカデミー賞予想時期となりました。 昨年WOWOW生中継で授賞式を見ていて、私の予想が5勝1敗と好成績! と思ったら、最後の作品賞発表で予想した「ラ・ラ・ランド」との発表が、なんと撤回されるハプニング。 そのため私の予想は4…

「デトロイト」

昨年の「ダンケルク」や「ハクソーリッジ」と同様に、観客がその時・その場所を体感する映画。これが映画の醍醐味。1967年のデトロイト、連日暴動が続く中で起きた事件の実話を描く。 その緊張感 リアリティ映像は半端じゃない。 それもそのはず。「ハート・…

「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」

待望のSWシリーズ・エピソードⅧ。 前作「フォースの覚醒」をもう一度観直してから劇場へ。フォースの力に目覚めたレイ、暗黒の世界へ行ったカイロ・レン、行方不明だったルーク・スカイウォーカーへとの再会・・・ 前作直後から始まり、怒涛のアクション展開…

新年ご挨拶

あけましておめでとうございます2006年1月のブログ開設から、週2回投稿をめざして 書き始めたブログは、もう13年目となりました。 最近では月2回程度の投稿となっていますが、 これからも無理せず気ままにアップしていきます。 引き続き今年もよろしくお…

2017年のベスト映画10本

1.「ダンケルク」(クリストファー・ノーラン監督) 圧倒的な臨場感で、戦場を体感する映画。 命の尊さを強烈に体感した映画でもあった。 2.「人生フルーツ」(伏原健之監督) ”人生は、だんだん美しくなる”ということを証明してみせた。 コツコツ、ゆっ…

「ローガン・ラッキー」

”全米最大のモーターカーイベントで現金強奪” と聴いただけで、観たくなる映画。 この手の現金強奪ものは大好き。 「男の争い」「マダムと泥棒」「現金に体を張れ」「黄金の七人」等々の多くの傑作を若かりしときに観ていたからであろうか。2013年に監督引退…

新海誠展( 国立新美術館)

現役アニメーション映画監督の名を冠した展覧会が開催されるなんて、すごいことです。 私は監督の全作品を観ているファンなので、国立新美術館へと行ってきました。文字どおり新海誠監督の15年の軌跡をたどる展覧会で、 「ほしのこえ」、「雲のむこう、約…

「ブレードランナー 2049」

”やがて人類は絶滅しー レプリカントが世界を支配する。 だが、多くは創れない。”1982年、「ブレードランナー」が公開されリアルタイムで観た時、私には物語を理解できなかった。ただただ、酸性雨が降りしきるロサンゼルスの退廃的風景その世界観に圧倒…

「アウトレイジ 最終章」

好きな大物俳優を集め、好きな映画を自らも楽しんで作ることができる監督・北野武。シリーズお約束の、「コノヤロー」「バカヤロー」の連発、工夫をこらしたお仕置き方法、裏切りと抗争バイオレンスは、今回も健在。シリーズ通して、やくざ世界をお笑い化さ…

「池田学展」に衝撃

日本橋高島屋で開催中の「池田学展 The Pen ー凝縮の宇宙ー」を観てきた。今年は美術館に26回と月3回ペースで観ているが、今年これまで最も衝撃を受けた展覧会だった。わずか1mmに満たないペン先の緻密な線で壮大な世界を描き出す現代アーティスト池田学…