映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「日日是好日」


黒木華樹木希林多部未華子の初共演で描く、お茶の世界。
樹木希林を偲ぶに格好の作品。
お茶の世界と同じ、まさにじっくりと味わい深い映画だった。

エッセイスト森下典子原作は未読。
監督は、「まほろ駅前多田便利軒」「さよなら渓谷」の大森立嗣。

お茶室の場面が多いのだが、お茶室が、二十四節気にあわせて微妙に変化する庭の風景や空気感が捉えて、単調にならず、むしろ画面に引き込まれてしまった。
そして、静かに余韻を残して終わる。

冒頭に主人公が10歳の頃、フェリーニ監督のイタリア映画「道」を両親に見させられたが、何が良いのかわからなかったというナレーションがある。
それは私の体験と同じだった。
「道」は日本公開時の1957年、中学1年の時に観たのだが、傑作と言われていても正直よくわからなかった。
その後、高校生時代に観たときは感動、感動だった。
その時わからなくても、後に良さがわかることがある。

お茶の世界でも。
”世の中には、すぐ見えるものと見えないものがある”
そう、私自身も若い時には見えなかったものが、年齢を重ねると見えてきたものがいくつもある。
文楽、俳句、現代アート等々。
だから人生おもしろい。

海辺では、黒木華がジェルソミーナの仕草で”ザンパーノ”・・・