映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「ともしび」 

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ベルギーの小さな町に住む老女アンナ(原題)。
夫は収監されていて、犬と独り住まい。家政婦として働き、演劇サークルやプールで日々過ごす。
息子との確執が悩みである。

こんなアンナの日常を淡々とカメラが追うだけの映画なのだが、アンナの眼、顔、身体が緊張感あるカメラワークによってスリリングに展開する。
地下鉄車内が何度か出てくるが、モラルを疑う若者たちなどの描写で現代社会をも活写する。

自分と同年代だけに、画面から目が離せなかった。

アンナを演じる「さざなみ」「まぼろし」のシャーロット・ランプリングヴェネチア映画祭で主演女優賞に輝いたのは誰もが納得の素晴らしい演技。

イタリアの新鋭アンドレア・パラオロ監督は、映画にならないような題材を見事に映像化した。

評価 ★★★★☆