題名の「スリー・ビルボード」というのは、閑散とした田舎の道路わきに設置された3枚の看板。
未解決レイプ殺人の地元警察の怠慢を批判する広告看板だ。
このメッセージを出したのは娘を殺された母親。
さて、この田舎町の人々は・・・
映画的な巧みなプロットに、初めから引きずり込まれる。
主役は3人。
娘を殺されて怒るミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)。
苦境に立たされた警察署長のウェルビー(ウディ・ハレルソン)。
署長の部下で差別的言動の巡査ディクソン(サム・ロックウェル)。
この3人のキャラと名演技がドラマを深いものにしている。
なるほど、3人とも今年のアカデミー賞にノミネートされているのが納得。
暴力、差別、憎しみ、怒り・・は、この田舎町だけの問題に留まらない。
悪に立ち向かうミルドレッドとディクソン二人の道行に暗示される答えは?
観客ひとりひとりの胸にずしんと響く。
アカデミー賞作品賞ほか有力候補作の傑作であり、是非とも観てほしい。