親の死亡を隠して年金を不正受給していたというニュースに着想をえたという是枝裕和監督お得意の家族の形や社会問題を描く。
第71回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。
監督の受賞後記者会見での作家としてのスタンスに共感した。
話題性もあり2週目でも劇場は混んでいた。
お父さんと呼ばない息子、家庭内暴力から逃れてきた女の子、いっしょに住む家族が、いやでも引き離されることになってからの展開が映画の核。
現実と希望が複雑に交錯しながらも、家族それぞれ生きる力と・・・。
役者を自由に演技させてリアルさを引き出す監督。
リリー・フランキー、安藤サクラ、樹木希林と子役たちの自然な演技には驚く。
2004年にカンヌ国際映画祭で高い評価を得た監督作「誰も知らない」は、取り残された家族、それぞれに父親の違う4人兄妹の自立を描いていて、本作と同じような題材。
監督は14年も前に家族の問題を鋭く描いていて、まさに時代も先取りしていたのだ。