「ブレードランナー 2049」
”やがて人類は絶滅しー
レプリカントが世界を支配する。
だが、多くは創れない。”
1982年、「ブレードランナー」が公開されリアルタイムで観た時、私には物語を理解できなかった。ただただ、酸性雨が降りしきるロサンゼルスの退廃的風景その世界観に圧倒されっぱなしだった。
今作はそれから30年後を描く。
カルト人気作品だったので、スタッフのプレッシャーは相当なものだったに違いない。
それを乗り切った作品に仕上がっているのはドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の手腕。
前作を引き継ぎ、独特の世界観も映像も音楽も、新たに創造されていて、2時間43分の長尺も飽きさせない。見応え十分。
前作から30年後というハリソン・フォードの設定が生きた。
行方不明の謎、老人姿での行動力、そして最後は・・・
やはり「ブレードランナー」は、ハリソン・フォードが主役でなくてはカルトファンを納得させない。
レプリカントの物語であるのだが、神の存在、人類の誕生、親と子、孤独といった壮大なテーマを提起しているところが核心だろう。