映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

ウイスキー

昨夜は、NHKBS2で、珍しい南米ウルグアイの映画「ウイスキー」を観た。



04年カンヌ映画祭で批評家連盟賞、東京国際映画祭グランプリを受賞し、05年度キネマ旬報ベストテン第7位という作品のいち早い放映であり、これではNHKに受信料を支払していても惜しくはない。



偽りの中年夫婦と弟の3人の微妙な心の動きを淡々と描いた作品。

すべてが三脚で固定されたカメラで捉え、ときに人物の顔さえ画面からはずれることもある個性的な映像スタイル。一部を見せるだけで「仕上げは観客に任せる」手法。これがなんともいえない味わい。



小津安二郎監督の映像スタイルは、日本間に座ったときの目の高さロー・アングルの固定されたカメラで捉え、バストサイズの人物はカメラに向かって話し、ひとつのセリフにひとつのカット割という編集である。カメラマンよりファインダーを覗く回数が多かったという小津監督の手法とは根本的に異なる。



ところで、この「ウイスキー」という題名は、ウルグアイでの写真を撮るときの決まり文句からきている。

ウイスキー、ウイーー」と笑顔で写真を撮る場面が2回ある。

世界的には「はい、チーズ」ということだろうが、わが国では「1たす1は?、ニーー」と言うほうが多いかもしれない。

そういえば、寅さんは「バターー」と叫んでいたが。



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