映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「赤・黒」とクライム・サスペンス

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石田衣良の連作小説である池袋ウエストパーク外伝「赤・黒」を読んだ。

カジノ売上金強奪から始まるクライム・サスペンス。

題名の「赤・黒」はルーレット。カジノで主人公が最後の大勝負に赤に全財産を賭ける物語だ。



この小説には、クライムサスペンス映画の題名が多く出てくる。

ラスベガスでの賭場荒らしといえば「オーシャンと11人の仲間」(60年)。

再映画化されて、その続編「12」、そして現在「13」が製作中の人気作となっている。

競馬場での現金強奪をリアルに描いた「現金(げんなま)に体を張れ」(55年)。あの「2001年宇宙の旅」(68年)のキューブリック監督の若き日の傑作だ。

スチーブ・マックイーンが銀行強盗で仲間や警察から追われる役を演じた「ゲッタウエイ」(72年)。サム・ペキンパー監督。

クエンティータランティーノ監督の名前を全世界に知らしめた「レザボア・ドッグス」(91年)。

等名作群が登場。いまだ未見のひとは、レンタルショップに急げ!



この本は池袋が舞台。

「この通りで唯一文化的な空気を放っていた文芸座はとうに廃館になっていた。文芸座で観た「七人の侍」「用心棒」の迫力にたまげた。」と主人公に言わせる。

私も池袋文芸座にはよく行った。ユニークな企画が多く石井輝男監督特集などオールナイトでたくさんの名画を観た。

池袋文芸座、新宿日活名画座、銀座並木座の3館が若い頃の私のお気に入り名画座だった。

いまや名画は映画館では観るのではなく、DVDで観る時代に変わっている。