映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「ル・アーヴルの靴みがき」

フィンランドアキ・カウリスマキ監督は、90分以内の小品ながらも人生の断片を描く名手。
代表作は「浮き雲」だが、感動のラストシーンを見せたくてこの映画を作ったのではないかと思わせたほど。
前作の「街のあかり」以来、久しぶりに新作に出会えたのが嬉しい。

独特のテンポやユーモア。その作風・スタイルは変わっていない。
これがなんとも心地よい。
監督作にいつも登場する無表情おばさん(カティ・オウティネン)に会うと、もうカウリスマキの世界にどっぷり浸る。
そして、またも最後に温かい幸福感にひたれる。

なにか小津安二郎の映画を観たときの味わいと同じ。
映画の世界を熟知した監督の魅力で見せる作品。