映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「あの頃、君を追いかけた」

多くの映画のブログのなかでも、共感度が高い”真紅のthinkingdays”の真紅さんが「今年のマイベスト作の一本。」と書いていたので、上映映画館を探してさっそく観に行った。
期待どおりの心に響く佳作で、満足の1本だった。

ミニシアター映画館「下北沢トリウッド」では、びっくり仰天。
台湾・香港では超メガヒット作にもかかわらず、なんと観客は私ひとりだけだったのだ。
60年以上映画館に通ってきたが、ひとり観客は初めての体験だった。

自伝的インターネット小説を自ら監督した青春映画。
1994年、個性ある5人の高校生の憧れは優等生の女子。
2005年、憧れの君の結婚式。

冒頭の5人を紹介するシーン
井上雄彦とか飯島愛とか男たちの興味、
最後の結婚披露宴でのハプニング
二人が想いを書いて揚げたランタン
ひとつひとつのエピソードが不器用に語られているからこそ、なんともほろ苦い青春時代の記憶を揺さぶられる。

私も後悔ばかりの青春時代、
あの頃の、自分に会いにいけました・・

私にとって台湾映画といえば侯孝賢ホウ・シャオシェン)監督であり、淡々とした小津安二郎タッチが好きで、あの頃、監督作を追いかけた。
この映画の監督・九把刀(ギデンズ・コー)は、長編映画は初監督。
抑制のきいた描写力は侯孝賢の後継者のよう。

帰りには、観客ひとりのために映写してもらったので、
”ありがとう。いい映画でした”と、
受付兼映写係のひとにお礼を述べて映画館を後にした。