映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「裏切りのサーカス」

映画館で入場券を購入したら、チラシ(下の写真)を1枚くれた。
そこには、「本作に限り、ストーリー、人物相関図などを、ある程度把握してからご覧いただくことをお勧めします。
展開、伏線、結末ー本作の奥深い魅力を、よりお楽しみ頂けること必至です。」
と書いてあった。

原作も読んでいないし、予告編も観ていない。
大好きなミステリー映画だから予備知識なしで来たのだが、あわてて、このチラシを2回熟読し、人物相関図と名前をしっかり頭に入れてから映画を観た。

なるほど映画は説明なくどんどん進行していくし、現在と過去がいり混じりながら展開していく。
人物相関図を知らなければどうなっているのか解らないような映画だ。
誰がソ連の二重スパイ<もぐら>なのか?
というミステリーを軸に最後までぐいぐい引っ張って飽きさせない。面白い。
さすがジョン・ル・カレによる原作の風格。
抑えた色調で、心の”冷戦”も描いた映像も見所だ。

だが、肝心の<もぐら>の正体に到る唐突感は否めない。
その背後にある心情をもっと描いていればと、惜しむ。
あるいは、心情まできちんと描いていますよというのか、伏線を探すためにも、もう一度映画館に足を運びなさいと、
「二度目、真実が見える。リピーター割引キャンペーン実施!」
というのもチラシに大きく書いてあった。
ミステリー映画ファンの私も見逃している場面が多くあるのだろう。
しばらく時間を置いて、DVDで再見としよう。

原作を読んでいるファン向けに作られた映画といえる。