映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

原題とは異なる邦題の名作映画ベスト5

洋画の「邦題」について思うのは、昔の名画は味わいのあるものが多かった。

わが谷は緑なりき」「お熱いのがお好き」「太陽がいっぱい」「アパートの鍵貸します」「北北西に進路を取れ!」
などは原題を生かして映画の内容をずばり示した名邦題だ。

原題とは異なる邦題の名作映画ベスト5(製作年度順)

  いずれも封切当時の時代がみえてくる。
  ”邦題は時代を映す鏡”だ。

1.「望郷」(37年)
原題はジャン・ギャバン演じる主人公名「ペペル・モコ」。
アルジェリアの暗黒街カスバで、パリに思いをはせる姿をダブらせたフラン映画全盛期の邦題の名作。

2.「荒野の決闘」(46年)
原題はテーマ映画の民謡「いとしのクレメンタイン」。
クレメンタインという架空の女性を登場させて詩情豊かに描いたジョン・フォード監督の西部劇。
後年「真昼の決闘」や「OK牧場の決闘」など”○○の決闘”の先駆的題名となった。
なお「真昼の決闘」の原題は「ハイ・ヌーン」だが、ジャッキー・チェン主演の「シャンハイ・ヌーン」もしゃれていた。

3.「勝手にしやがれ」(58年)
原題は「A bout de souffle=息切れ 」。
仏ヌーベル・バーグの衝撃的画登場にふさわしい邦題。

4.「007危機一発」(63年)
原題は後年リバイバル題名で復活した「ロシアより愛をこめて」。
四字熟語では「危機一髪」だが、「発」をあてた水野晴郎作のタイトルが新鮮。
日本ではマイナーだった”007シリーズ”を一気にメジャーにさせた名邦題。その後もブルース・リー主演の「ドラゴン危機一発」でも髪ではなく「発」の字が使われた。

5.「明日に向かって撃て!」(69年)
原題は主人公ふたりの名前「ブッチとサンダース」。
60年代後半のアメリカン・ニューシネマらしい邦題だ。
危機的だったハリウッド映画界の明日をも賭けた渾身の名題