映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「天使の分け前」

今月末をもって閉館する「銀座テアトルシネマ」のクロージング作品に選ばれたケン・ローチ監督の「天使の分け前」を観てきた。

スコッチウイスキーの故郷スコットランドを舞台に、若者が、ウイスキーと出会って、懸命に生きる姿を描くハートフル・コメディー。

主人公の若者ロビーは、喧嘩が絶えず、裁判所で奉仕活動を命じられた。罪の償いを奉仕活動で代替させるという日本にはない法制度なのだが、映画を観ていると、こんな制度もいいのではないかと思えてしまう。
その奉仕活動の仲間たちと、大きな賭けにでるのだが、これが痛快。

そして最後に、この映画の題名となっている「天使の分け前」の意味がこれまた痛快に示される。
原題なのであるが、日本語訳としてもピタリ。
今年の”ベスト邦題”候補作品に。

今年のカンヌ国際映画祭是枝裕和監督の「そして父になる」が審査員賞を獲得したが、昨年の審査員賞受賞作品がこの映画。
ということは、是枝裕和監督作品も相当レベルの高いものだと確信。

いい映画を観て、幸せな気分で、さよなら!銀座テアトルシネマ!

この劇場で観てきた「蜂蜜」、「夜顔」、「白いリボン」、「愛、アムール」など珠玉のヨーロッパ映画の場面が頭を駆け巡っていた。