映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「白い馬」

  ”出会えてよかった。
    人生にそう思えることがいくつあるだろう。”

デジタル・リマスター版で半世紀ぶりに映画館で
公開されたアルベール・ラモリス監督作品
「赤い風船」と「白い馬」。

冒頭の今回上映用キャッチコピーどおり、私にも、ほんとうに出会えてよかった作品。

こちらの「白い馬」は高校2年のときに観たから
46年ぶりの再見。
やはり、なつかしさと、再会の歓びで胸いっぱいで、食い入るように観た。
とにかくモノクロ映像の美しさといったら、もう絶品。
これはスクリーンで体感してもらうしかない。
モノクロで表現したからこそ描けた純白な魂の世界。

湿原を駆けぬく人馬を横移動撮影で捕らえる場面、まったくカメラブレがない。
流れるような移動、人と馬と自然が溶け込む。
映画で陶酔できる瞬間!
そしてまるで神話のように心が浄化されるラスト。
はるかな海へと、ヘリでの俯瞰撮影が追う。
少年のほかにも、亀と遊ぶ少年の弟(「赤い風船」のパスカル少年がかわいい)やウサギを追いかけるシーンがあり、映画にふくらみとユーモアを与えている。
こうした緻密な構成が、ラストシーンを崇高なものにしているのだ。

次は、ラモリス監督の長編映画「素晴らしい風船旅行」との再会を待ち望んでいる。