映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「ハドソン川の奇跡」

2009年マンハッタン上空で制御不能となった飛行機をハドソン川に不時着させ、乗客全員の命を救った航空機事故。
日本でも大きく報道されたので誰もが知っているのだが、前代未聞の決断行為だっただけに機長が糾弾されたということを、この映画を観るまで知らなかった。
現在86歳のクリント・イーストウッド監督は、英雄の苦悩する人間像を描いた「アメリカン・スナイパー」同様、得意な題材だ。

原題は「SULLY」という機長(トム・ハンクス)の名前。
原題どおり映画は機長の姿を冷静に描く。
英雄か?犯罪者か?

機長のわずかな時間での最終決断、最後尾まで誰も残っていないかを確認してから最後に脱出。救助後まずは家族に電話し、乗客の安全確認。
機長の行動は、”これが仕事”と言いのける以上のプロ仕事。
副操縦士、乗務員や救助隊、登場する人物が皆実に誠実なのに感動する。
東京都の不誠実な仕事ぶりとは、大違い。

エンディングには、機長本人と乗客本人たちが登場し、”今も生きています”ということを実感させてくれる。
いつもながら素晴らしい曲とともに。

見事な映画づくり。
イーストウッド監督作品にハズレなし。