映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「百日紅〜Miss HOKUSAI〜」

題名の「百日紅」(さるすべり)って、何で?

”散れば咲き 散れば咲きして 百日紅”(加賀千代女)
百日紅のしたたかさに、江戸の浮世絵師がだぶり、表題はこんなふうに決まりました」(ちくま文庫・上巻の解説より)

描けば描くほど花ひらいていく長寿の天才絵師・葛飾北斎を描いた杉浦日向子のコミックだが、主役は娘のお栄。
お栄から見た北斎の姿、お栄が暮らす江戸、火事も、恋も、絵師としてスランプを乗り越える術は?・・・

「はじまりのみち」で実写映画でも手腕を発揮した原恵一監督がアニメ映画化。
杉浦日向子の最高傑作と思っているし、しかも杉浦日向子原作初の長編アニメ作ということで、わくわくして映画館へ。

江戸評論家としても活躍した杉浦日向子の”江戸ワールド”と”妖怪百物語”を楽しむ作品。
狩野探幽と称する仏画から飛び出した仏様の巨大な足に踏まれて・・、
地獄絵から聞こえる悲鳴に毎夜うなされた奥さまを救う道は・・
寝ている花魁の首が伸びてくるというので、吉原へと・・

原作のテイストそのままに映画化されていたのが嬉しい。
この独特の世界感に浸る90分だった。