映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「0.5ミリ」

見逃していた映画だが、
キネマ旬報2014年ベストテンの、第2位。”
”同誌の主演女優賞に、安藤サクラ。”
”監督・脚本は安藤サクラの実姉、安藤桃子。”
”押しかけ介護ヘルパーのお話。”
という少ない情報だけで、映画館に行く。
予告編も観ていない。
上映時間を調べると、なんと”3時間16分”という。
あまり水分を摂らずに着席したが、トイレで途中退席する暇もないほど面白く濃い内容だった。

 ”ホームレスになった介護ヘルパー
  今日も老人を物色中?!”

主役の介護ヘルパーを演じる安藤サクラが、なんとも素晴らしい、凄い。
押すところ引くところ絶妙のバランスで、その自然な立ち位置が見事。
監督が実姉だけに、安藤サクラの魅力を過不足なくカメラで捉える。

「介護」という今日的テーマについて考えさせられと共に、今や貴重な「戦争体験」についても語られていた。
ノーカットで戦争体験談を語るシーンは、津川雅彦ならではの説得力。
戦争を知らない若い世代の監督が語り部の役をも果たしている。

キネマ旬報ベストテン第2位に値する見応えある意欲作だ。