映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「利休にたずねよ」

山本兼一著の原作を読み実に面白かったし、市川海老蔵のブログ「ABKAI」では茶の世界や映画撮影のことを読んでいたので、公開が待ち遠しかった映画。

原作は、利休は「何故切腹しなければならないのか?」ではなくて、
「これほどまで”茶の湯”の美にこだわり極めた利休の原動力は何か?」
が語られていて、映画も原作どおりの展開。
利休が使用したという長次郎作の黒楽茶碗などの大名物が映画にも登場しアップで観ることができるのだが、”利休の美へのこだわり”が今ひとつ描ききれていない分、ややもの足りなく感じた。

さすが海老蔵は、歌舞伎での荒事の所作や眼力を抑えての演技が落ちついていて、新しい利休像をにじませていた。
妻を演じた中谷美紀が、利休に想い人がいたのではないかと心に秘めながら夫を支えるたたずまいが、お見事。騒がしく演じた「清須会議」を観たあとだったので、両極端演技に驚く。
高麗の女を演じたクララは、この人以外考えにくいほど。
歌舞伎ファンの私には市川團十郎の最後の演技に、感無量だった。


マイブログ記事から ”山本兼一著 「利休にたずねよ」”
http://d.hatena.ne.jp/uramado59/20090508/1241783591

マイブログ記事から ”待庵をたずねて”
http://d.hatena.ne.jp/uramado59/20090511/1242043152