映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

日本アニメの原型 「江戸写し絵」


今日、国立劇場小劇場で、「芝居と語り芸ー庶民の娯楽」を鑑賞。
日本が誇る伝統芸能の奥深さをあらためて見直した。

”江戸時代の庶民の最高の娯楽は、歌舞伎。そして時を経る中で、車人形や幻灯器を用いた写し絵、さらに映像が動く映画など、娯楽としての芝居は多様に変化してきた。”

今日の演目は、バラエティに富んだもの。
1.八王子車人形芝居&語り芸は説経節
2.地芝居(秋川歌舞伎保存会)&語り芸は義太夫節 
3.江戸写し絵&語り芸は新内節と落語 
4.無声映画上映&語り芸は活動弁士澤登翠

初めて観た「江戸写し絵」に、日本アニメの原型をみた。
「江戸写し絵」とは、18世紀中頃に長崎に輸入された南蛮渡来の幻灯器を使って映し出す絵に、語りや音曲を加えた世界でも例のない日本独特の芸能。

人間国宝・新内仲三郎が三味線で新内節で語る「葛の葉 狐子別の段」は、江戸情緒たっぷりの語り芸。
それに、劇団みんわ座がスクリーンに映す「江戸写し絵」が美しく楽しい。
ラストシーンでは、葛の葉が狐の姿に変身し、だんだん小さくなって、フェイド・アウトする。

まさに映画表現だ。

映画が登場する数十年も前に観た江戸っ子の驚きぶりが、眼に浮かぶ。

上の写真は、劇団みんわ座HPより転載しました。