映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」


映画は、企画・制作プロダクション会社「ROBOT」の会社ロゴで始まる。
この会社、1995年の傑作「Love Letter」から映画製作をはじめて、才能ある社員監督で作った「タイヨウのうた」や、「海猿」「ALWAYS 三丁目の夕日」などヒット作を連発している会社だ。
だから、この映画のタイトル「RAILWAYS」も、うなづけた。


監督は、出身地である島根に根ざした映画を作り続けているという錦織良成
49歳で、出雲地方を走る一畑電車(バタデン)の運転士になった男を描く。
最近これほど、明快な映画タイトルも珍しい。

 

大手会社の取締役候補のエリート社員(中井貴一)が小さい頃の夢だった運転士になるという、夢物語なのだが、夢の実現に向けて行動する主人公の姿に、バラバラだった妻と娘や新人運転士の絆は深まっていき、観ている観客も次第に共感していく。
それが、島根の景色のようにゆったりと展開し、なんともさわやかな気分にさせてくれる。
電車の職員全員が好人物ばかりだったり、母の介護士宮崎美子が好演)も献身的で、「自分が選ぶ職業」というサブテーマも素直に描かれていた。
だから就職活動をしている娘が選んだ職業も、納得。

 

映画館は、平日の昼間だったこともあって第二の人生を送っている年代の人で

いっぱい。
オレオレ詐欺という職業が、ありえないと考える観客ばかりと思えた。