映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「ツレがうつになりまして。」

宮崎あおいが、マイペースなマンガ家
 堺雅人が、生真面目な夫”ツレ”
を演じると聞けば、想像どおりの夫婦像が展開される。
ふたりがピタリ、役にはまっている。
うつ病のお話なのに、深刻なものではなくて、ほのぼのとした風味が、共感を誘う。
原作(細川貂々の同名コミックエッセー)は未読だが、原作の風味なのだろう。

うつ病。苦しんで闘っている人が大勢いるはずだし、この原作はその人たちの手助けになるはず。
だから何としても映画化したかった」というのも、これまで心優しいドラマを作ってきた佐々部清監督らしい。
この映画で、一歩踏み出せる人がいるに違いない。

ツレに近づいてくる不審な患者(吹越満)が登場してくれば、あの不気味映画「冷たい熱帯魚」の演技が頭に残っていたので、”こいつは怪しい。近づくな!”とツレに叫びそうになった。
だがこの映画には悪人は出てこない。苦情申し立て人も、会社一徹の冷たい上司も・・
そこに温かさが感じられ、なにか心地良く映画館を後にすることができるのだ。
これが、監督の狙いだったとすれば、成功なのだろう。