映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

川本喜八郎さんを偲んで

”日本を代表する人形アニメーション作家で、NHK人形劇「三国志」などを手掛けた人形美術家の川本喜八郎
が亡くなった。”

私は川本喜八郎の作る人形映画の大ファン。

日本の伝統美を追求し、今昔物語(「鬼」)や能(「道成寺」「火宅」)を題材にしながら独自の人形世界を展開していた。
特に「火宅」での人形表現世界は立体的で魅力的。
武満徹の音楽も印象に残った。

「冬の日」(03年キネマ旬報文化映画ベストテン第3位)は、連句というこれまた日本の伝統形式を借りて、世界各国のアニメーターで作品を作るというアイデアに驚嘆。

折口信夫原作の「死者の書」(05年キネマ旬報文化映画ベストテン第3位)が最後の作品となった。
これは長編人形映画で、平城京の舞台装置と絵巻物をひもといているような緩慢なテンポと瞬時の感情表現が独特の雰囲気を醸し出していた。

死後さらに再評価が高まる作家なのではないだろうか。
ファンとしては寂しいかぎり。
ご冥福を祈る。