「僕らのミライへ逆回転」のミシェル・ゴンドリー監督の代表作「エターナル・サンシャイン」(2004年)がNHKBS2で放映された。
この映画、まったくの予備知識がないまま観たので、もうびっくり。映画でしか表現できない世界に、酔った。まいった。話はこうだ。ふたりが出会う場面で始まるが、突然に、彼女は彼を忘れるために記憶除去手術を受け、彼もまた同じように手術を受ける。
彼の頭の中の記憶は、トキメキに満ちた出会いや幸福な時間を思い出しては、消されていく。未来の幸せのために過去を消す。映画は、最高に幸福な瞬間へと逆回転で進んでいく。
こんな内容では、こちらの映画のほうが「僕らのミライへ逆回転」という邦題がぴったりではないか?!巧妙な構成で、細部にわたりふたりの微妙な心の動きを現在と過去を交錯しながら描写して、男女のせつない愛情がじわりと心に迫る。ジム・キャリーは、これまでのイメージを一新した演技。
ケイト・ウィンスレットも素晴らしい。
男のために尽くすのではなく、自分の幸せのために正直に生きるという女性をさりげなく演じて魅力的。
最新作「レボリューショナリー・ロード」も待ち遠しくなる。
映像が流れる時間とストーリー&テーマが複雑にからみあって,映画らしい映画を観る歓びを観客が十分味わえるという作品だ。録画しておいたが、翌日もう一度観て、また楽しんだ。