映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「天国と地獄」 TVリメイク

黒澤明の傑作映画「天国と地獄」のTVリメイク版が昨日放送された。

息詰まる緊張感が持続した映画版とは異なり、TVはCMで分断されてしまうが、面白かったのでついつい最後まで見てしまった。



映画版と最も違ったTV版での特色は、ガラスに反射する映像の妙だ。



誘拐電話を囲む権藤家や刑事の人物が、あるときは窓ガラス越しに、ガラスの花瓶越しに、マルチ画面で、多重に映し出される顔のアップ、緊張と各人の表情や性格描写を見せた。

麻薬の受け渡しの北一硝子店の場面では、ガラスに反射して映る売人女性が美しい。

また最後の面会場面でも発揮。犯人(妻夫木聡)と権藤(佐藤浩市)のやりとりは面会ガラスに両者の表情をたっぷり重ねて見せた。

うまい描写力である。



エンドロールは、映画版シナリオにはない明るい場面で締めくくる。

さすがにテレビドラマの王道を、はずさなかった。



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黒澤明の映画は、数回観ているが、何度観ても面白い!