映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

日本の映画料金はなぜ高いのか?

日本の映画料金(1,800円)は高いといわれている。

アメリカ、フランス、お隣の韓国いずれも日本円で600円〜700円程度といわれており、日本では世界の相場の2〜3倍の料金を払わされている。
日本は土地が狭いので映画館の地代が高い、維持費がかかるなどの理由もあるが、それだけとは思えない。

日本映画界は、ずっと映画製作会社が作った作品をその系列の映画館で上映するという「ブロックブッキング制」が伝統的な興行形態だった。
たしかに小学校の頃から、東映映画は東映の映画館、東宝映画は東宝映画館、松竹は・・という系列がはっきりしていた。
封切終了後の二番館(3本立て30円とかいう場末の映画館)ではじめて各社混合の作品を観ることができた。
洋画の興行も、東宝系・松竹系と二大洋画配給系列があってロードショー料金も同じだった。
この映画制作会社が上映興行の主導権を握って、いわばメーカーとディーラーが同じ会社で価格支配できてきたのである。
そのため映画料金は、なんら企業努力なく価格維持が可能な時代が続いてきた。
根本的な改革を怠ってきた歴史があろう。

93年にワーナー・マイカル・シネマが神奈川県海老名市に開設したシネコン第1号によって映画料金の価格破壊と映画館設備改善が、いわゆる外圧によってはじまった。
サービスデイや各種割引料金の設定により、2006年の平均料金は1,233円まで低下し、映画館は外資に負けじと続々とシネコン化して設備やサービス向上に懸命となっているのが現状である。

けれども、いまだ世界一高い映画料金の国だから、ハリウッドも超お得意先の日本は重要マーケット。
大ヒット確実の「パイレーツ・オブ・カビリアン」最新作は、全世界で最初に日本公開したり、ジョニー・デップは来日して宣伝に務めたり、しっかり日本で稼いでいるのも映画料金が世界一だからなのだろう。