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北野武監督の第13作は、映画監督キタノ・タケシが主人公の喜劇。
お得意のバイオレンスを封印したキタノ監督は、他のジャンルに挑戦しては失敗の連続、次なる企画を求めてさまよい歩くうちに、地球に危機が迫るという破天荒なストーリーだ。
劇中のキタノ監督、思いつきだけで撮影にはいってしまう。
まったく監督という職業に尊敬もなく、威厳もない。
なにが「監督・ばんざい!」だとばかりに、こけおろしている。
今年のカンヌ映画祭では「世界の映画監督35人」に選ばれたが、晴れの場では、羽織はかまにちょんまげのかつら姿で登場していた。
「世界のKITANO」は、自分が世界レベルといわれてもそんなことはないよと、ひらきなおっている。
明らかに北野武自身を逆手にとって、主張と己の姿をさらけだす作家精神がこの作品には生きづいている。
北野武は、やはり大物作家(映画監督)といわざるを得ない。