アメリカの映画・テレビの脚本家1万人でつくる脚本家組合が「偉大な脚本・歴代ベスト110」を7日発表した。
第一位には、映画「カサブランカ」(42年)の脚本を選出した。
これには驚いた。映画監督は脚本を最も重視し、脚本は監督やスタッフのために、彼らの創造を引き出すためにあるもの。にもかかわらず、この「カサブランカ」撮影開始時には完成脚本は無く、あらすじとメモが渡された程度。ラストシーンも最後まで決まらず、撮影は混乱状態だったとバーグマンの書いた自叙伝ほかで明らかにされている。
それが脚本第一位になったのだから驚いた。
この映画は、世界中の人に愛されている偉大な名作である。
ハンフリー・ボガードはこの映画で人気沸騰し、ハードボイルドで活躍し、生きながら伝説の人(ボギー)となってしまった。
イングリッド・バーグマンは、この映画で大輪を咲かせ、あのウルウルの瞳の演技は、日本語訳の名セリフ「君の瞳に、乾杯!」にピタリだった。
観客は余韻を残す名ラストシーンを含めて、映画の構成は秀逸で、脚本がすばらしかったと思わざるを得ない映画。私も大好きな映画のひとつ。
今回の栄誉は、この映画の多くの名セリフに贈られたものと考えればいい。