映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「アメリカン・スナイパー」

”戦争に英雄などいない”というテーマを真正面から描いた「父親たちの星条旗」。
硫黄島での日本兵の戦いぶりを全編日本人俳優が日本語で話すという映画にした「硫黄島からの手紙」。
”戦争”を新たな歴史観硫黄島・戦争2部作を監督したクリント・イーストウッド最新作の舞台は、イラク戦争
また戦争映画の傑作が誕生した。

アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズ所属のスナイパー(ブラッドリー・クーパー)は、160人を射殺し、“伝説”と称えられた。
敵に引き金を引くか否か、戦場での緊迫した場面が続く。
帰国しても、愛する家族との生活とのジレンマに苦しみ、再び戦場に戻ってしまう。
スナイパーのプロ魂と苦悩を、監督の作風である”控えめに”語るのである。決して扇情的にも、過剰にも描かない。
だからこそ、観客はその奥にあるものを感じて、感動するのだ。

監督ばかりか音楽も担当する「グラン・トリノ」のエンドクレジット音楽にも感心したが、この映画のエンドクレジットの無音に注目。
こんな手があった。素晴らしい余韻だ。

世界の誰もが認める”巨匠”クリント・イーストウッド監督は84歳。
年1本ペースで精力的に作品を発表し続けているが、まったく”ハズレなし!”。