映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「クリーピー 偽りの隣人」

タイトルの“クリーピー(creepy)”とは「ゾッとするような」という意味だそうだ。そして副題に”偽りの隣人”とあるので、これだけで”怪しい隣人が怖いというサスペンス・スリラー映画”だとわかる。
この副題がなければ、ちょっと変わった隣人が、だんだんと正体を・・
というサスペンスが高まったような気がする。過剰な副題である。

新居に引っ越してきた元刑事の犯罪心理学者・高倉(西島秀俊)と妻の康子(竹内結子)は、隣人の西野一家の娘から、実は西野(香川照之)が父親ではなく
全くの他人であるという事実を打ち明けられる・・。

この隣人を演じる香川照之が巧い。こういう役をやらせれば天下一品。

海外での評価が高い”世界のクロサワ”黒沢清監督は、日常の生活のなかに不気味な空気を描かせたら実に上手い。

映画で描かれているような犯罪が日本でも実際に起こっているので、「ゾッとするような」空気は、いっそう身近なものとして伝わり迫ってくる。
こうした空気を楽しむのが映画の見どころ。