映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「この世界の片隅に」

こうの史代(ふみよ)のコミック代表作「夕凪の街 桜の国」に感動した。。
原爆投下後の広島という物語の背景は悲惨であっても、日常生活の描写のなかで、たくましく幸せに生きてきた人々を淡々とした語り口で描ききっていた。

こうの史代原作のコミック「この世界の片隅に」にほれ込んだという片渕須直監督が映画化したアニメーションも見逃せないと映画館へ。

この映画は、終戦前の18歳で広島から呉に住む男の元へ嫁いできたすずが主人公。
戦争で身近なものが失われていく中でも工夫を凝らしながら一日一日を生きていくすずの姿に、改めて戦時下という時代を庶民の眼から見つめる意義は大きい。
ラストには、いままでと違った世界感をも体感し勇気をもらえた。

”すずさんは今91歳で、この世界の片隅に生きている。そう信じています。”
片渕須直監督)

満員の客席(テアトル新宿)からは、終了時に拍手がわき起こった。
エンドクレジットの最後には、映画化の企画段階で制作資金が集まらず、クラウドファンディングで集めて完成したという、その募金者たちの氏名が延々と出てきて、多くの賛同者たちによってこの傑作が誕生できたことを知って、また感激。
ヒットして、よかった!