映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「白ゆき姫殺人事件」

この映画の原作者・湊かなえの”証言・手記・手紙・資料”などの断片から構成する小説手法にはいつも感心させられる。
こうした手法で人間の深層に迫り、テレビドラマでは「贖罪」、映画では「告白」という傑作が生まれている。

著者の最新映画化「白ゆき姫殺人事件」も、関係者たちの”証言”で構成するが、それに加え、”テレビワイドショー番組”・”ツイッター”によって多面的に容疑者が確定視されていく過程が面白い。

被害者(菜々緒)は美人、容疑者(井上真央)は地味で内気。
被害者の良い面だけを言う証言者、容疑者には容赦のない攻撃、加熱していく報道、マスコミに乗せられ、ネットに翻弄されていく人々。
なんとも無責任なネット上の”書きこみ”・・

私には予想できなかった犯人でありミステリーファンにも満足させ、弱者の痛みをしっかり描いていてドラマとしても満足な映画に仕上がっていた。
監督は、「ゴールデンスランバー」の中村義洋