映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「ローマの休日」

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今週11日にNHKBSプレミアムで放映予定。
オードリー・ヘプバーン魅力満載の本格デビュー作。

少女は王女で、心も身体も”大人の女”になるという成長物語。
しかも丸一日という短時間で変身できたのは、新聞記者との恋愛。
当時の映画はベッドシーンはNG。
そこで、王女と記者は川に飛び込む場面から、川から上がって二人の初キス。王女の濡れた服が乾くまでの間は記者のワンルーム部屋にいたという設定を用意する念の入ったシナリオとなっている。

このシナリオは、ダルトン・トランボが執筆。
1940年代後半からの共産主義者排斥運動「赤狩り」で、証言を拒否して有罪判決を受けた「ハリウッド・テン」のひとり。
従って映画公開当時には彼の名前は秘され、ハリウッドNo.1のウィリアム・ワイラー監督に迷惑がかからないように自分からは事実を決して明かさない約束をしたという。
映画の最後で記者が王女に、事実を決して明かさないと約束したように。

映画の原題は「Roman Holiday」。
「ローマ人の休日」で、ローマ帝国時代のローマ人の楽しみ、「スパルタカス」でも描かれていた剣闘士の戦いを楽しんでいる意味という。
さて、この原題に隠された深い意味は?

見所満載の名作。また観よう。