映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

美の巨人たち・甲斐庄楠音


2000年4月に始まったテレビの長寿番組のひとつ
美の巨人たち」(テレビ東京 毎週土曜日夜10時)

を毎回楽しみにしている。

 

一枚の美術作品にスポットを当て、その作品に秘められた人間ドラマや謎を解き明かす番組だ。
昨日は、甲斐庄楠音(かいのしょう ただおと)作

「横櫛」。


大正時代に異才を放った日本画家。           ホラー小説の表紙にもなっている↑


現在広島県立美術館にあるこの絵は、甲斐庄自身が後に変えてしまったものという。
その謎に挑む。


この番組は、作家と関わったであろう「ある人物」を証言者に設定して進行するが、どんな人物が語り部となるのかが、毎回楽しみで、今回はモデルが作家の内面とその時代を抉る。

 

最後には、彼が「アカデミー賞・ノミネート証」を持った写真がでてくる。
50年以上も前の話、溝口健二監督の映画「雨月物語」で「風俗考証」を担当し、
1955年アカデミー賞の衣装デザイン部門に選ばれたという。

 

日本映画の黄金時代は、時代劇映画に「風俗考証」をする人がいた。

細部に徹底的にこだわる溝口健二監督が選んだ男だから、本物の画家なのだろう。