映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

傑作だ! 「ツリー・オブ・ライフ」

神々しいまでの詩的で美しい映像美の傑作「ニュー・ワールド」から5年。
大好きなテレンス・マリック監督の最新作が待ちどおしかった。
だから公開日当日その第1回目10:00上映で観てきた。
これほど期待して観る映画はめったにはないが、
映画は期待どおりで、”すごい!”の一言。

旧約聖書ヨブ記の引用で始まり、宇宙の映像や恐竜まで登場するので、
2001年宇宙の旅」と同じような、心ゆさぶられる衝撃的な映像体験をした。
何やら神がかり的で哲学的な映像に酔いしれ、そして、自分自身が映像に溶け込んでゆきながら、深い感銘を受けたのだった。

原題の”生命の樹”は、旧約聖書・創世記に登場するという。
子供が誕生したら庭に植樹する平凡な家族の物語なのだが、
人生は、神に祈っても、ままならない。
「神はどこに・・」と天を仰ぐ。
そこにスメタナの名曲「わが祖国」モルダウの音楽が流れ・・

過去の子供時代は、緑にあふれ、木に登り、川で泳ぎ、駆け回った・・
だが、ショーン・ペンが登場する現代のシーンには、緑はなく人工的なビル群ばかり。
人類は大切な自然をも失ったことに、気づかされる。

壮大な叙事詩を前にして、男ばかり3人兄弟だった私のこれまでの人生を振り返りながらも、
「生きているって・・」、命とは、家族とは・・、
そんなことを考えさせられて、胸がいっぱいになったのだ。