映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「トゥ・ザ・ワンダー」

神々しいまでの詩的で美しい映像美の傑作「ニュー・ワールド」、「ツリー・オブ・ライフ」に続くテレンス・マリック監督の最新作。
敬愛する監督なので、公開初日に観てきた。
素晴らしかった。感動した。

常に動いている画面、画面の背景には常に光か空か太陽が写り、クラシック音楽が流れて、最後まで登場人物たちの会話は少なく、モノローグだけで語られる。

モン・サン・ミシェルで出会ったベン・アフレックオルガ・キュリレンコのふたりの動きを延々と追う映像が始まると、もうこれこそテレンス・マリック監督ならではの世界。
”映画でしか表現できない世界”
”美しい映像詩”
なんと表現すればいいのだろうか。
この映像体感は、まさに至福のとき

”愛するとは?”と問いかけられ、
”この愛は。永遠に続くと思っていた。”のだが・・
愛と破綻を時間を交錯させながら描く。
そして、いつものテーマである”神はどこにいるのか?”という問いかけ。
こうした問いかけを受けて、観客は自分自身の心のなかで答えを求める旅をするのだ。

モン・サン・ミシェルでの恋の記憶を、ありがとう!”
余韻が深く静かに残る、心に沁みる映画だった。