映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「ノルウェイの森」

村上春樹の小説「ノルウェイの森」をベトナム系フランス人監督のトラン・アン・ユンが映像化。

物語の時代1969年は、東大安田講堂事件の挫折感ただよう空気、
アポロ11号月面着陸の現実感なき夢というような年で、私自新は独身サラリーマンを呑気に謳歌していた頃。
歌では、カルメン・マキの「時には母のない子のように」がすぐ浮かんでくる。
そんな時代の空気を思い出しながら観た。

美しい映像のなかで、登場する人物は疎外感とも違う
なんとも危ふい若者たち。
草原でワタナベ(松山ケンイチ)に一方的にしゃべり続ける直子(菊地凛子)を遠景で数分間ワンカットで捉えた映像と不安な気持ちの人物達の対比が新鮮だ。

原作の内容はすっかり忘れていたこともあり、村上春樹の映像化というよりは、トラン・アン・ユンの映像による”新たな旅立ちの青春ドラマ”として観ていた。