映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「プリンセス トヨトミ」

原作者である万城目学のデビュー小説「鴨川ホルモー」を読んで、すっかりマキメ・ワールドにはまった。
京都を舞台に、千匹のオニを操りながら他校の大学生と戦う青春ものなのだが、奇想天外な展開がとにかく面白ろかった。

2作目の小説「鹿男あをによし」は、奈良が舞台で、鹿が話すというこれまた、けったいなお話。
テレビドラマ化され、ヒロイン綾瀬はるかに魅了され、毎回楽しみだった。(このとき共演の玉木宏は、この映画にも友情出演しているぞ。)

京都、奈良の次が大阪を舞台にした「プリンセス・トヨトミ」だ。
今回の奇想天外は、豊臣の末裔を守るという大阪国の独立。
もうマキメ・ワールドそのものなのだが、いざ映像化されると、なにか違和感がある。すっとファンタジーの世界に入れないのだ。
いっそのこと、新幹線の”トンネルを超えると、そこは(雪国、ではなく)大阪国だった”

それと、女の子になりたいという悩みを抱える真田の一人息子と幼馴染の茶子のエピソードが、話の展開にちぐはぐなのだ。

テレビドラマ「鹿男あをによし」のスタッフであった相沢友子の脚本、鈴木雅之の監督だけに、ちょっと期待したが残念。
小説だから想像の世界が無限に広がるマキメ・ワールドの映像化というのは、
難しいのだろうか。