映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「アントキノイノチ」

父親の勧めで“遺品整理業”の会社で働く事になった杏平(岡田将生)は、同じように過去に深く心に傷を負う経験をした先輩社員のゆき(榮倉奈々)と心を通わせていく。

さだまさしの同名小説を
「ヘヴンズ ストーリー」の瀬々敬久監督が映画化。
団地、学校、街の風景を、寂しく冷たく描写するのは前作どおりで、無縁社会が舞台。

杏平の過去では、知らん顔していたクラスメイト達や先生に向け怒りが爆発するエピソードにドキリとさせられた。

終盤、海岸で二人が「元気ですか〜!」と叫ぶところで温かく終わってしまえば簡単だが、そうはいかないところが、この映画の真髄。
命は、ときに急に奪われることもあることを我々は知らされる。

命の尊さを正面から捉えた正統派の恋愛映画だ。